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【悩ましいエンジン異音にサヨナラ?】BRZと86のエンジン異音の原因と対策

長く乗っているとどうしても気になってくるのが、クルマが発する異音。
私が乗るBRZも車検やディーラー点検では問題ないものの、気になる異音はありますね。
この記事では、BRZと86のエンジン異音に迫り、異音の原因から正しい対策までを詳細に解説します。

目次

1. エンジン異音の原因に迫る

1-1. コンロッドメタルの故障

コンロッドとメタル
コンロッドの中心に入っている薄い金属板のような部品がコンロッドメタル(別名クランクメタル)です。
通常は左側のように半円状の部品が2つで〇になるところ、右の故障している部品は、削れて2枚が重なってしまっています。
この2枚が重なったことによって、クランクシャフトとコンロッドの間に隙間が出来て異音を生み出してしまうのです。
油膜切れなども大きい要因になりますが、過走行の車両でもよく見られる症状のようです。

1-2. アイドリング時のカタカタ音

原因様々ですが、フライホイールにダンパーレスを採用しているための仕様である旨のスバルディーラーからの回答があった他、MTギアの歯打ち音という回答もあります。
これについてはかなりの頻度で起こっているようですが、音が大きくなってきたりしない限りはそこまで神経質になる問題ではないとのこと。

1-3. パワーステアリングユニット内のプラスチックギアの破損

破損したパワステギア
前期モデル(特にアプライドA型なので最終H型の私はあまり聞いたことがない)でよく発生するステアリングトラブルです。
症状としてはステアリングを左右に切る時に奥の方からコトコト音が発生するようで、酷い場合はハンドル切るたびにガタって音がする症状です。
運転していてとても不快なこの症状ですが、原因はパワーステアリングユニット内のプラスチックギアの破損。
新品のパワステギア
とても小さな部品で、これが破損するとしっかりと締結されなくなるためステアリングを切るたびにコトコト音がするようになります。
さらに痛いのが、この部品は純正では単品で出ないため、パワーステアリングモーターASSY交換となってしまい、イモビ登録なども含めると20万オーバーの作業になってしまうことも。

1-4. 2000回転以下でエンジンに負荷かけたときのガラガラ音

BRZ/86では、燃焼室への燃料噴射技術として、D-4Sという技術を採用しています。
これはSのつかないD-4が完全なる直噴技術であるのに対して、そのD-4で大きな欠点となったスラッジの発生を抑えるために直噴だけでなく、一般的な燃料噴射であるポート内噴射機能も持たせたもので、言うなれば「半直噴技術」というべきものです。
直噴とは燃焼室内に直接燃料を噴射することで、液体のガソリンがシリンダー内で気化することによる気化熱で温度を下げることができるため、それによってノッキングがおこりにくくなり、圧縮比を高め強い燃料力を得ることができる、少ない燃料でも燃焼させることができるため低燃費にも貢献させることができるというメリットがあります。
しかし、液体の燃料を噴射してからそれが混合気となる前に燃焼されてしまうため、カーボンなどのスラッジが大量発生することがあり、直噴エンジンではそれをどう処理するのかということも含めての開発がされます。
D-4Sではそのスラッジの大量発生に対する一つの答えとして、スラッジが大量発生しそうな状態になると直噴ではなくポート内噴射に切り替える、あるいは併用することで出来るだけスラッジの発生を抑えようとしています。
この切替が起こるのがおよそ2000回転付近で、それによって音が発生してしまうとのこと。

2. エンジン異音への正しいアプローチ

2-1. 自己診断と対処法

ドライバーが自分で行える異音トラブルの診断方法と対策手順について解説します。
簡単な自己診断で解決できることもあります。

①コンロッドメタルの故障

→オイル交換は怠らず実施すること。
ただし、このメタルは初代BRZに使われているものがかなり耐久性が低いらしく、特にエンジン内部に手を入れたり過給機を搭載したりしなくとも摩耗するというから厄介。
症状としてはクランク軸にクリアランスが生まれてしまうので結構な大きい音でコンクリートハンマーみたいな打音がします。
明らかに何かおかしいとわかるので、エンジン停止してレッカーしましょう・・・
そのまま乗ると最悪ブローにつながりかねません。

②アイドリング時のカタカタ音

→あまり神経質になることもなさそう(持病らしい)
なかなか自己診断が難しいので、ディーラーメカニックを乗せながら相談すると良い。
私がお世話になっている某スバルDではタイミングベルトのテンショナー緩みとかも疑ってましたが結局D4-S特有の持病らしい。

③パワーステアリングユニット内のプラスチックギアの破損

スポーツカー特有のガチっとしたステアリングフィールのBRZですが、この症状が出るとステアリングを左右に切った際に奥の方からコトコト音が発生します。
酷い場合はハンドル切るたびにガタって音がするのでよく分かるそう。
整備工場によっては独自のノウハウがありギアだけ内部のプラスチックギアだけ交換するそうですが、ディーラーではASSY交換のためかなり修理費用高額になります。

④2000回転以下でエンジンに負荷かけたときのガラガラ音

一定のアクセル開度で2000回転から3000回転以下をキープして走っている時にガッとアクセル踏み込むと一時的に鳴る症状。
これまたD4-S特有の症状で、小さくガタガタと小刻みに音が鳴ります。
私のBRZがサウンドクリエイター外しているせいかかなり気になるのですが、ディーラー曰くそこまで気にしなくて良いよとのこと。
ちなみにHKSのフラッシュエディターで燃調PHASE1に書き換えて使っていますが、当初よりはマシになった印象。
(なんでか・・・)

2-2. 予防策と定期メンテナンス

基本的には定期的な各種オイル交換と早期発見が重症化を防ぐので、日々のメンテナンスをディーラー頼みにせずご自身でも実施することが大事です。
気にかけながら乗っていると色々なインプットがあるので、不思議とよくわかってくるものです。
特にBRZや86はこのあたりがよく気づくように作られているので、これを機に気にして乗ってみてあげてください。